朝起きると、民が夫婦の布団を片付けるだけでなく、すぐにほうきを持ってきて寝室を手早く掃いてきれいにしてしまうのにはびっくりした。それが自然に夫にも伝わって、自分たもの部屋は夫が片付けてくれるという話であった。朝、男性も女性も生き生きと働き出すようすが伝わる明るい話であった。さん、三十三歳の専業主婦ではあるが、子供が育つにつれて、いろいろな出会い アプリ を始めて、週間のスケジュールは一日も空かずぎっしりと埋まっていて忙しそうである。趣味の発表会などで、土、日まで彼女が外出しても、夫は気持ちよく見送ってくれて、何かを作ったり、温めたりして、家族に食べさせてくれ、台所もきれいに片付けてくれるという。そこの家をのぞいて見たわけではないが、夫がそこまでしてくれると、棄の方は思わず感謝の言葉が口から出てくるし、たとえ別のときに文句を言いたくなることが起こっても、あのときしてくれたのだからと思い直して、嫌味を言ったり、こぼしたりしなくなるだろう。「私の家では、今のお二人のようには、夫も子供も手伝いません。家事は全部、私の権限にまかされています。しかし、家族に迷感がかからない範囲では何をしても、何も言いません」と、話した主婦がいた。確かに、戦前の主婦と比べれば、一人で家事をしても、夕食に間に合うように家に帰っていればよいというのは幸せであるう。子供は、大学生と高校生の男の子で、それぞれ、グラプ活動などで家にいないことが多いとか。しかし、この話の限りでは、家族が集まって話をすることが少ないように見受けられた。楽しみは分けあえば倍になり、家事などの労働は、二人ですれば半分になる。それだけではない。体を使う点だけの労働ならいとわないという主婦でも、家事というのは、愛する家族のために心をこめてするわけだから、それについて喜んだり、感謝の言葉があるかないかで、主婦の疲れ方が違う。「家事はお前の仕事だよ」と冷たく割り切る夫や子供たちの態度は女性にとっては悲しく寂しいものである。家事は家族みんなのものスザγはノlルウェーから来日している外交官の妥である。「日本に来ているときは、私たち外交官の実は、一般的に仕事をしていません。専業主婦である以上、夫が職場で働いているときに、済ませられる家事は、できるだけ私がするのが当然だと思っています。けれども夕食を二人で食べた後、私が一人で台所に立っていたら、夫も何となく落ち着かないでしょう。

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夕食の後片付けは夫も一緒にします。それが終わって、夫は新聞を読み、私も本を読んだり、編みものをしたりします。こういうやり方の方が、二人でゆっくりくつろげて楽しめるのではないでしょうか。ノルウェで私も働いていたときは、二人でする家事の時間が長くなるわけですが、専業主婦だから、共働きだからといって、家事の分けあい方は同じ方法です」家族だからこその思いやりの気持ちが両方にあって、理想的な形だと感心した。こういう言葉がどこの家でも山てくれば、夫は外で仕事、妻は家で家事をするのが当然と思わなくなるし、共働きでも、主婦である以上、家事は女性の仕事などという、女性差別の役割分担は出てこない。日常から夫婦が相手を思いやりながら家事を片付けるようにしている家では、子供たちも父母の姿を見て育つわけで、家事をすることが自然に自分たちの生活に入ってくる。町田が布団を片付けるといった前述の女性の家では、現在は両親と別世帯に住んでいるが、小学校二年生の男の子が、家族の中では一番早く家に帰ってくるので、学校から帰ると、まず洗溜ものを取りこみ、お米をとぎ、夏は窓を開けて風を入れ、冬は日暮れ前に雨戸を閉める役目をするそうである。小さいのにかわいそうにという人もあれば、雨が降り始めると遊んでいる男の子に戸をかけてくれる人もあるとか。近所の雑音は気にしないで、その男の子が洗溜物を取りこみやすいように低く乾すように直したそうである。その子は、それが当たり前と思っているから、かわいそうとも思っていないし、気持ちよくやってくれるそうである。一つには、男から率先して、男性ができる範囲で、家事を手伝うことが自然なその家では、男の子本人はもちろん、家族の中からも「男の子に、そんなにいろいろさせて」という声は出てこないらしい。それよりは、僕も家族のために役に立っているという気持ちが、家族の関係をより親密にしているようだ。母親だけが、家の中のいろいろな雑事をするのに駆け回っているのに、夫を先頭に、子供たちまで、長椅子や床にゴロゴロしてテレピを見たり、新聞を読んだりしていて平気であるという家庭も、日本ではまだまだあるらしい。いかに、夫が外で忙しく働いてきていても、家族の中に、そういう思いやりの気持ちが流れていない家は冷たいのではないだろうか。人は、生まれてから年をとって死ぬまでに多くの人に世話になるのだが、特に家族にはいろいろと世話になり、また、世話をするわけです。

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それを子供たちゃ他の家族に体で教えていくのが夫婦ではないだろうか。背は、その家の年長の男性のことを一家の大黒柱と呼んだ。それなりにその人の責任が盛く、家族全員が一目おいて尊敬もし、その人のひとことに従うだけの重みもあった。現在の大黒柱は、夫婦一体である。それを家族に示すのは男性の仕事である。外でどんなに忙しく責任のある仕事をしてきても、家に帰ったときは、妻と共に一家の中心人物であることを示そう。自分たちの家族を愛し、引っ張っていくカを見せる意味でも、できるだけ家族の世話をしよう。そして、本当に疲れているときは、素直に子供たちゃ他の家族に助けを求めよう。「男はいつの時代でもつらいんだよ」わが夫が笑いながら言うひとことである。互いに得意な家事を分担しあう最も苦手なのは掃除掃除に対する夫の協力度を日本電機工業会が、東京都に住む既婚男女各百五十名を対象に意識調査したものを読んだ〈朝日新聞-年月日日朝刊)。二十代の男性の綿パーセントは「家事分担をしている」と答えている。しかし、掃除をする男性はゼロで、買い物や料理、育児を手伝う人が多いという。理由はいくつか想像される。それ程広い家に住んでいるわけではないとか、掃除よりは小さな子供の世話をしてもらう方が助かるなどあるだろう。総じて、夫も妻も年齢を越えて、家事の中で掃除を最も負担に感じているようだ。一般的に、夫婦は而白いもので、一人がきれい好きであると他方は比較的だらしがなくて、家の中が片付いていなくても気にしない。だからといって、妻だけに掃除や家の中の整理をすることを習慣づけてしまうのは決してよいことではない。また夫の方が口やかましいばっかりで、実際には何もしないというのも悶る。この調査でも、掃除が原因で喧嘩をしたことがある人が邸パ1セγトもあったそうだ。本来、家の中を片付け、清潔に保つのは、家族が能率的に楽しく、居心地よく暮らすためのもので、文句を号一回う積になるのはよくない。片付けや掃除は楽しい創造的仕事ではない。特に、前かがみの姿勢で電気栂除機を使って家中を掃除してあるくのは、疲れる仕事である。私の肉親の場合、若いときから、父親の方が口うるさく、片付けについてよく文句を言っていた。母は普通に片付けも掃除もする人だったので、父は、あれほど昔前を言う必要はなかったように思ったのだが:::。しかし今にして思えば、どうでもいいことをゴチャゴチャ一首うことで、父は他のストレスを発散させていたのかもしれないです。

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年をとって、ニ人ともが八十歳代になり、今は、ニ間しかない小さな高齢者用のライフケアマンショγに住んでいる。幸いに父が比較的に元気で、部屋の中をよく片付けているので、年寄りとしてはきれいに暮らしている。それでも、不必要と思われるぐらいの物置きを借りて、どうしても捨てたくないものを入れてあるらしい。ともかく、狭いところのこ人暮らしにしては、よく片付き、無駄なものは少なく、その反面、絵やら写真を飾っていて、年寄りらしいところは、小さな仏壇があるぐらいである。振り返って考えてみると、父は、文句も言うが、実際によく片付けた。母も心得ていて、押入れに布団を入れたり、古新聞や古い紙の整理は、父にまかせていたし、五十歳前後になって体力が弱ってきた段階で、掃除機を使うところは父に頼んでいた。応接セットなどを動かしながら掃除をするのは、かなり体力が必要とされる。だからこそ、少しずつ体の弱っている妾のためにも男性は率先して掃除を手伝って欲しい。やってあげようという気持ちとそこそこの体力があればできることである。得意なこと分担しあおうここでは、掃除の話から始まったが、家事労働の中でも、妥にとって苦手なもの、体力や時間がかかって負担が大き過ぎると思うものは、家族で話し合って問題を解決したいものである。私の友人で、一流会社の役員をしている夫を持つ人がいる。彼女の夫はあるときはゴルフ、あるときはジョギγグをあるときは水泳といった具合いに、健康のためにょいといわれることはいろいろしてきた。しかし、自分のきれい好きな性格もあって、掃除が最も気分転換にもなり、自分の健脱法になることを発見した。それからは、土曜日には、家族にはなるべく外出するように言って、夫の方は思いきり気のすむまで掃除に専念することにした。妻である私の友人は、掃除をしないですむのなら、それ以外は何でも我慢することにした。そして、土眼目、掃除の終わる二時頃に帰宅して、夫の好きな食事を手早く作って出すことにしたそうである。「掃除は夫にまかせた以上、どんなに気になることがあっても我慢することにしました。それに、ちょっと汚すと叱られるのも目をつぶっています。掃除機を持ってまわることや、ガラス窓をふいたり、庭掃除をしなくていいのはどんなに助かると思いますか。折にふれて夫に感謝の言葉を述べています」と、いうことだった。幸い、彼女は、洗濯好き、料理好きで、素晴らしいカップルといえます。

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こういう役割り分担ならあってもいいのではないだろうかとうらやましい限りである。これほどではなくても、子供が少しずつ大きくなったら、子供のできる範囲で責任を持ってまかせるやり方をすると、子供は窓外に喜んでやってくれるものである。夫の方にも、衰の上手な演出法で、夫がやりたがるところからまかせるようにした方がよい。最初はどんなに下手でも、少しずつ上手になるのを待とう。相手のプライドを傷つけないようにすることを第一にして、完壁に家事をしてもらおうと思わないことである。日眼目の朝食と昼食は夫が責任を持って作るという場合なら、親戚や、近所の友人にも、「本当によくやってくれるので、日限日は女王さまの気分です。それに少しずつグルメの味を家でも出してくれるそうですから楽しみにしています」ぐらいは、自慢しよう。それを聞く夫は、更に頑張るようになるだろう。家事を一緒にすることは、老後への準備にもなり、夫婦仲よくの最も身近な手段でもある。日々の労働’」そ最高の愛テク世をあげて財テクプムだが私は、日頃からあまり財テグに興味はない方である。まして「遺言の書き方」という講座が流行していると聞くと、違う世界の話のように思えてくる。複雑な家族関係があって気の毒な状態か、財産があり過ぎる人の悩みなのだろうくらいにしか思えない。ところが、そう思っていた私に、ふとした迷いが生まれた。いつものように夫は出勤し、子供たちはまだ起きてこないある土腿日の朝。時計代わりのようにつけていたテレピから遺産相続の話が流れていた。新聞を見ながらのぼんやりした聴き方ではあったが、切れぎれに、「最近の土地の急騰で、以前は相続税など払う必要もないと思っていた家でも、今は払わなくてはならなくなってきた」とかご度に税金が払えなくて、分割払いにしなくてはならない場合、百万円に対して、四十万円も利子がつく」など気になる言葉が耳に入ってくる。そこで娘が起きてきて食事を始めた。娘を相手に、つい今しがたの聞きかじりで、「パパが亡くなった場合、住んでいる家にそのまま住むためには、相続税が高いから貯金など全部現金になるものは税金に納めなくてはいけないことにもなりかねないわ」と、つぶやき始めると、娘が、「私は、遺産相続を放棄するから関係ないわよ」と言う。私は統けて、ことなのよ」「でも、あなたはこのまま家に位いてもらおうと思うわけでしょう。それができなくなるというこの辺で、私の心の中にゆき場のない不安といらつきが相当嵩じてきたのです。

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古風だからといって忘れてしまってよいとは言えない。お互いに、支え合って生きるのが家族である。現代は、夫も妥も仕事を持つのが普通になって、経済的に自立できる時代になった。もちろん、専業主婦の人でも、直接の現金収入がないだけで夫や家族のためにいろいろと尽くしていることに変わりはない。だから私は、お互いに、家族が幸せに暮らしていくために毎日努力していることを大切にして、お互いに口に出して感謝をしたらどうだろうと思うのである。言わなくても分かっていると横着をしないでほしいのである。声に出して言って、いやな気持ちになる人はいない。「お父さまの働きのお陰で毎日が暮らせるのよ。だから、お金を大切に使いましょう」「ママのお陰で、おいしいごはんが食べられる。家に帰ると、温かな匂いがいつもするよ」「ママは働いた上に、家のことや、子供たちの世話で大変だなあ。今日は僕もできるだけ早く帰って一緒に何でもしますよ」夫婦がこういう会話を交わすことができたら、どんなに家族全体が幸せを感じるだろう。こういうやさしい思いやりのある言葉は、お金を少しでも増やそうとか、こうしたら得になると考えている気持ちのときは、なかなか口に出てこないのではないだろうか。財テクやら、遺産相続のことを考えてはいけないとは言わないが、お金では買えないものがあることを忘れないようにしたいし、十万円、百万円とは比べものにならない僅かなお金のために、毎日地道に働いている夫と裂の努力をお互いに大切にしたいと思う。こういう気持ちゃ努力を忘れないことが、高齢になっていく夫婦の最も大切な心の準備のように私には思えるのだが。お金より今日の幸せ家の名義を共有名義にすべきか東京は、現在、地価の異常な高騰時代を迎えた。何とも恐ろしいような気がする。その一方で、自分にどうそれが跳ね返ってくるかと思うと、心の隅のどこかで少しでも有利にするためにはどうすべきなのだろうかという気持ちも頭をもたげてくる。あるとき、親しい女友達が、「私の家では、今住んでいる家の名義を夫だけでなく私の名前も入れて共有名義にしてもらうように手続きしてもらっているの。妻に対して夫が生前贈与しても税金がかからない金額があるので、その分を現金でなく、家の権利の方に使うことにしたの。そうすれば、これから家や土地の値段が上がっても、もらった分の方も値が上がるからね」と、教えてくれた。私は、夫が機嫌よく見えるときを見計らってその話を切り出してみたのです。

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